先日の中田敦彦さんのYoutube大学でHSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)に触れてました。
HSPをざっくり説明すると「非常に感受性が強い人達」のことを指します。
音や匂いなどの刺激や人の感情に敏感で、物事を深く考える傾向のある人のこと。1996年にエレイン・N・アーロン博士が提唱した概念です。
謎にアルファベット3文字が並んでいるからといって、病気ということではなく、単なる性質です。走るのが得意・不得意と同じこと。
人の感情を汲み取るのが得意で、ささいな予兆にも敏感に対応できます。ただ、いろんなことが気になりすぎて空回りなんてことも非常に多い。うまく自覚して扱えないと、辛いことが多くなりがち…。
まさに私はその通りでした。
今までの自分の人間関係の辛さ・仕事の失敗と悩み・恋愛の下手さなど、あらゆることがHSPだったが故だと気づくと、全部説明がつきます。
でも、いつのまにか、この気質をうまく扱えてきてる自分に気づきました。
今更感もありますが、HSPで辛い方の参考のひとつになればと思い、私なりのHSP克服方法を綴ってみます。
- その前に、HSPとは? セルフ診断もできる。
- HSPな私のあるある
- 【対処法 STEP 1】 まず自覚する
- 【対処法 STEP 2】 何を感じるのも自由。自分の感受性を許す(自己受容)
- 【対処法 STEP 3】外の刺激でなく自分の声に集中する(内観)
- HSPの対処法まとめ…自分の心を優先してOK
その前に、HSPとは? セルフ診断もできる。
HSPをまだ聞いたことがなかった方へ。こちらの漫画がその感覚や気持ちをとてもよく表してくれてます。
正直、まんま昔の自分やん!と思いました 笑。いや、性質は変えられないので今もたまに発揮している…!
Togetterでもいろんな声が集まってます。
参考: 感受性豊か過ぎて21年間ずっと生きづらかったけどHSPというものを知って少し楽になった話 - Togetter
HSP診断テストの公式サイトで、もっとわかりやすく説明してあり、しかも簡単に診断テストができます。
ちなみに私は86で【中程度のHSP】でした(設問内容を見ても、前の自分だったらもっと高かったと思います)。
そもそも、概念化できる感覚だと思ってもいませんでした。Wikiを見ると本当にじっくり研究が重ねられているのがわかります。
参考: ハイリー・センシティブ・パーソン - Wikipedia
ただの個人的なこだわりや性格だと思ってた部分や、逆にみんなも同じ感覚だろうと思ってたあやふやだったことに、こんなにまとめられる共通項があることに正直驚いたんです。
HSPな私のあるある
以前はものすごく深刻に悩むタイプでした。当時「自分はHSP気味で少々センシティブな奴なのだ!」と気づいていたら、あんなに深刻に生きてなかったなと常々感じます 笑。
【対人関係】
- 他人の感情の変化が気になる
- 相手のイライラが自分のせいと思い込みがち
- 全く関係ない誰かがイライラしてても、自分がソワソワする
- 会話中、相手の表情や声で、表立ってない感情の微妙な変化も察知してしまう
- その感情がマイナスっぽいと、勝手に落ち込んで会話に集中できない(合ってるかわからないのに)
- 会話の返しに時間がかかって沈黙が長く、トーク力に悩む
- 初対面の人には異常に緊張して自己嫌悪
- 調子が悪いとただただ謎の罪悪感の嵐
- ひとりの時間が必ず必要。グループの集まりやパーティーが苦手
- あんまり人と関わりすぎたくないことを、遠慮しすぎて逆にうまく伝えられない→友達減る
【仕事】
- 仕事を断れなさすぎて自滅
- 仕事のミスを全て自分のせいと思いこむ
- ミスったことを長く引きずりがち
- ミスを思い出してよく泣く
- プランニングしすぎて本題が進まない
- 先のリスクを考えすぎて本題が進まない
【刺激系】
- コンビニなど、眩しすぎる光が辛い
- 騒音がやたらと不快
- 人が多くて騒がしい場所も苦手
- 時計の秒針の音等リズム系の音があると寝られない
【その他】
- 果てしなさすぎる熟考。(アイデアが閃くと良いスパイラルが止まらないが、悩むと負のスパイラル止まらない。結果的に不眠がち)
- 涙もろくて公共の場でも泣きそうになる
などなど。
基本的に「自分の甘えで悩んでいるんだ」という自己否定に陥っていたために余計に辛かった。
でも、これが「自分が悪いのではなく、そういう性質だ」という納得の仕方ができた時、ようやく自己受容の道が開けたんです。
【対処法 STEP 1】 まず自覚する
HSPと検索すると、「HSP症状」「HSP診断書」と検索候補が並ぶけれど、何度もお伝えしますが病気ではないので、自分で自覚して必要であれば対処するものであり、自分でなんとかできるものです。
HSP気味の方は「気にしすぎ」「繊細」とよく言われると思いますが、当人は具体的に普通の人より何を気にしすぎているのか、自分では認識できないことがかなり多いと思います。
だからこそ、自分はHSPだと気づくことが第1歩。
HSPテストのサイトから拝借してまとめた、主な特徴はこちらです。
【優れたところ】
- 人に共感する力が強い
- 深い思考ができる
- 身体の様々な感覚能力が高い
- 危険意識が高い
- 内面のエネルギーが強い
【苦手なところ】
- 雑談・会話…言葉選びが慎重
- 頑張りすぎる…自信がない。優秀でいようとする
- 罪悪感を抱きやすい…深刻に受け止めやすい
- 怯えがち…はじめての場所や初対面の人を恐れがち
- 怒りと争い…争いを好まず、怒りを抱えやすい
参考: HSP診断テスト
これらの特徴を他の人より強く感じる、それに気づくのに意外と時間がかかっていました。なぜなら、みんなも自分と同じ感覚だと思い込んでいたからです!
みんなもできると思っていたからこそ、「優れたところ」を優れたところと思ったこともなく、苦手なところはただただダメだと自己否定でした。
具体的な方法 ▶良い・悪いの判断をせず、自覚だけに集中する
ここでおすすめしたい「自覚」は、自分が他人より敏感に受け取ってしまう部分を理解することだけに集中すること。
その感覚に良い悪いと判断を下さなくて大丈夫。
コレが気になるから人よりすぐイライラしやすい自分、コレをされると人より傷つきやすい自分、コレをすると心地よい自分。
いろんな自分を自覚することに集中する。自分を否定せずに。
私はこの自覚にとても苦労していました。なにかにつけて、なにかマイナスな感情が沸き起こる=自分が弱いからだという思考回路がすでに出来上がってしまっていたので、自覚に集中できないでいたからです。
そういう意味ではHSPという概念を知ったからこそ、さっと改善できました。
次のステップ2では、自分の心が感じるものすべてを許す、いわゆる自己受容です。
【対処法 STEP 2】 何を感じるのも自由。自分の感受性を許す(自己受容)
HSPの人は他人からの評価を気にしがちなので、HSP気質をうまく扱えれば人の感情に寄り添ったりもできますが、あんまりうまく扱えないと、自己否定に陥りがちです。
「"良い子"でいましょう」の呪い…。「良い子」でいることが褒められ、良く評価されて育る。そんな人が大半ではないでしょうか。
さらにこじらせていた私は、"良い子"の対極が"ネガティブな感情のある自分"になってしまい、口の悪い自分・誰かにムカつく自分・悩みすぎる自分を否定し、抑え込んで隠していました。
ただでさえ感受性が強く、いろんな思考が沸き起こってしまうHSPであるからこそ、そのいろんな感受性を自分で認める作業が私には必要でした。
- 感情は良いものも悪いものも自然と沸き起こるもの
- 自分の感情に良い悪いをジャッジしない
- ネガティブもポジティブもすべてがOK
- それが自分の感受性
具体的な方法 ▶自分の感情のすべてを書き出す。ムカついたことでもなんでも
とにかく、ノートなり、スマホのメモなり、Slackなり、全てに感じた瞬間に書き出すことを繰り返しました。
私は特に、怒りを中心としたガティブな感情を禁止してしまってました。
他人にイラっとしたり怒りたくなったりすると、「なんでそんなこと思ってしまったの!?」と自分を責めがちだったのです。
別に人に直接伝えずとも、心の中で思ってるだけでも別にいいはずだったのに。
たとえ、誰かを殺したいほど憎いと感じたとしても、普通に良い人に対してイラッとした自分がいても、死にたくなるくらい自分のことをダサいと感じても、大失敗して恥ずかしいと思っても、すべてが自分の感受性の一つだったのに、そのことに気づいていませんでした。
そして、すべて感じることを許しました。
嬉しかったことは嬉しかった。ムカついたことはムカついた。とにかくなんでも感じたことを、さーっと流さずに、書いたり打ったりして可視化します。
相手を攻撃するために吐き出すのではなく、「自分の中に吐き出す」のであれば自由ですからね。
これをやりはじめて、ようやく性格の悪い自分もいることを認められました 笑(前からいたのに)
どんなにゲスな感情でも、悲しい感情でも、否定的な感情でも、書き出すことによって「自分が受け取る」「それが自分の感受性なんだと認める」という作業を、文字に起こすということで物理的にやる。
これが自己受容か!とようやくわかったのがこの頃です。
そのうち脳内でも自然とできるようになってきます。
自分を好きにならなくてもいい
ちなみに、自己受容や自己肯定という単語を聞くと「自分を好きにならなくちゃ!」と頑張っちゃう人もいるのでは。でも私は、別に好きにならなくても全然良いと思ってます。
例えば、私は自分の顔が好きでも嫌いでもありません。
竹内結子さんのような凛とした美しい顔に生まれたら、自分の顔がより大好きだったかもしれませんが、残念ながら現実を見れば全く違います。
どちらかと言うと、「この顔で死ぬまで生きていくしかないのだから、嫌いでいるのはなにかと面倒。だからとりあえず認めとくか 笑」程度の感覚で。
ただのそういう生物。みたいな感覚で自分を見てる感じです。
自分を否定して生きていくのには、本当に骨が折れます…。
でも「嫌わない=好きになる」ではないのです。自分に適当にOKを出しとくくらいが一番生きやすいという結論に至ってます。
そして最後のステップ3では、「外の刺激より自分の心を大切に扱うこと」について書いてみます。
【対処法 STEP 3】外の刺激でなく自分の声に集中する(内観)
「繊細さん」の本でもしきにり書かれていますが、「繊細さんが生きやすくなるためには、自分の本音の希望を何よりも大切にし、それを叶えていく必要がある」ということ。
他人の感情だったり、音や光だったり、とにかく外の刺激が気になってしまう繊細さん。
とにもかくにも、そうした刺激よりも自分自身を優先する方法を実践しました。
具体的な方法 その1 ▶物理的に刺激をシャットダウン
私なりの方法ですが、こんなことをやってみました。
キャッチする情報量が多すぎる→テレビを捨てる
私は特にニュースやテレビ番組などがダメでした…。例えば殺人事件などがワイドショーなんかで深堀りされてたりすると感情移入して辛くなったり。「世の中の常識」的なことを気にしすぎて自分が思うように行動できなかったり。
流れてくる情報量が多すぎて、常にささいなことでもキャッチしてしまい、その後も悶々と考えてしまうの繰り返し。
SNSなども含めて、情報との付き合い方を「本当に自分が欲するもののみ受け取る」に変えたことで、生きやすくなりました。
外の音、人の声を拾わない→ノイズキャンセリングイヤホン
私はおそらく、聴覚が敏感すぎていろいろ感じ取ってしまうことが多いようです。
とにかく無音で過ごすか、外が騒がしかったらイヤホンで音楽やラジオを聞くなど、外の音を遮るのをクセづけてます。
これにもってこいなのが、ノイズキャンセリング付きイヤホン。
先日パートナーがノイキャンイヤホンを買う時にヨドバシカメラで試してみたのですが、もう…すごすぎる…。あの「ヨドバシの歌」がしつこい店内でも 笑、一瞬で遠くにいるように感じる世界が完成します。
今はAirPodsを使ってますが、壊れたら速攻でAirPods Proのノイズキャンセリングイヤホンにしようと思ってます!
具体的な方法 その2 ▶ことあるごとに自問する
とにかく、他人の声を聞きすぎて「自分がやりたいことを優先する力」が弱すぎたため、ここを「自分は本当はどうしたいのか」と自分の声を聞くことを鍛えました。
例:集まりに参加している時
状況…たくさんの人がいる、楽しそうに会話がはずんでる
【HSPモード】
- 頭の中→自分も楽しそうにしなきゃ、つまんなそうにしてると悪い
- 行動→愛想笑い。よくわからないけど会話に参加
【自分の声を聞くモード】
- 頭の中→ー「自分はどう思ってる? どうしたい?」自問を挟むー
正直…つまらない 笑、そんな楽しくない。
でも、楽しそうにしてないと失礼じゃない?
いや、静かな場所でちょっと休みたい- 行動→少しの間抜け出して、1人で休憩する
こんな感じ。本当に一見簡単そうなことも気を遣ってできなかったので、こうした小さな本音確認作業をちまちまと積み重ねていきました。
HSPの対処法まとめ…自分の心を優先してOK
今までの私は、自分の感受性が強すぎることに気付かず、「なんだかいろいろ辛い人生だ…」とやみくもに嘆いていました。
自分感受性を認めて、やりたいと思ってることをやってもOKと思うことが、今までずっと大変でした。
人に迷惑にならないか、わがままにならないか、怒られないか、つい顔色を伺ってしまうこと、今でもあります。
それでも、いつもよりちょっとだけでも自分の心地よさを優先して、自分の人生を生きることを選ぶと、変わります。
- HSPをまず自覚すること…テストしてみる
- 自分の感受性をすべてを許す…感情を書き出して眺めてみる
- 外の刺激を減らして自分の声に集中する…物理的にスルーする+自問する
これらを実践して、結果的に自己受容ができるようになってきたことで、だいぶ生きやすくなりました。
私の場合は少々極端でもありますが、友達付き合いを減らしたり、熟考作業時間が長いデザインの仕事を選んだり、会社員は向いてないから1人でフリーランスになったり、
「ダメな自分だからこの選択をした」と思っていたことを「自分に合ってるからこの選択をした」というポジティブな思考に変えられ、人生の指針を整えられました。
もちろん人それぞれやり方が無限大にあります。あくまで私の話でしたが、この経験談が誰かの参考になれば幸いです。
長くなりましたが…、ここに至るまでに読んだ本を改めてご紹介します
別記事に過去の失敗談も書いてみました〜
以上、ハルモでした!