デザイナーの雑記帳

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私が夫婦別姓婚をしたいと思う3つの理由

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私とパートナーは、今のところ結婚の必要にかられておらず、結婚を考えてない2人です。

ただ、長く一緒にいる以上は、「なんかちゃんとしたもの=夫婦」という関係が証明できたらスムーズだなと思い、事実婚をしたい旨を伝えようかなと思って書いたのが前回のお話。

harmo8.hatenablog.com

仮に断られて、今まで通り結婚もせず世帯も別にしながら一緒に暮らすという結論になっても、しょうがないので、我慢して受け入れます… 笑。

でも、なぜ私が選択的夫婦別姓の導入を望むのか。

自分自身が自営業であることや、お互い自立しながら自由に生きていくことを望む私としては、別姓が選べることがベストだと感じてます。

ただ、今の法律では、「公的に名前を変えずに夫婦っぽい関係を選択する」場合は事実婚しか選べません。

その上で、夫婦別姓婚を選びたい理由をまとめてみました。

私が夫婦別姓婚をしたいと思う3つの理由

夫婦別姓婚を望む理由1】名前を変えるのが非効率だから

まず、名字を変える必要性が感じられません。自営業としては名前を変えるのは大変不便です。名前が変わるメリット(?)は「結婚(or離婚)した」と判別しやすいことくらいでしょうか。

これだけ国際化が進み、人権だ! 男女平等だ! と歩んできた中で、結婚をして強制的に同姓になるのは、世界的に見ても今となっては日本だけです。

住所変更と名義変更の労力は一緒?

引越しをするにあたって、ちょっと考えてみました。

「住所変更をするのも名義変更するのも、変更する届け出箇所としてはだいたい同じだから、労力も同じなのかな…?」

ふと疑問に思い調べたところ、改めて名義変更はなかなか骨が折れるなと感じます。

当然ですが、名義変更の方が義務力が圧倒的に高いです。氏名はカードや券面に載るものなので、他の書類と一致してなければ整合性が取れません。必然的に全ての変更が余儀なくされます。

また、変更のために住民票や戸籍抄本が必要だったり、窓口に行かなければいけない手続きが多いです。

住所変更だけであれば、名前さえ合っていれば本人確認は取れるので、あんまり大きな声で言えませんが、正直なところ…やってなくても生きていけました(実家の住所を使っていた経験談)。

住所変更でも、名義変更と同じ手続きを踏むものもありますが、今は住所変更だけであればネット上の手続きで終わるものも多いです。

郵便物に関しては最悪は転送サービスを使ってしばらくは時間的猶予を持てます。

仕事上の不便さ

私は今フリーのデザイン職をしているのですが、今の名前で仕事をしてしまってる以上、名前が変わると多少厄介です。

旧姓で仕事をするのか、新姓で仕事をするのかという点もあります。旧姓を通すならばハンコが2種類必要だったり、新姓であれば名刺を変更したり、振込先が変更になって相手先に処理をお願いするなど、細々といろいろな処理が発生します。

相手の労力を要することも増えるということです。

名前が変わると誰かわからない問題

そもそも、「知り合いが結婚していて名前が変わってると連絡先が見つからない」問題ってありませんか 笑。

今までは電話帳というもので自ら相手の名前を入力するのが常でした。が、最近はLINEやSNSなどの表示名は相手の意思で変わるので、いつのまにか名前が変わっていると誰だかわからなくなる時があります。

名前が変わると「…どっちかな?」問題

あとは、そんなによく知らない方や仕事関係の方で、絶妙な年代の相手が名字が変わってると、「あれ…結婚したのかな? いや………離婚したのかな?」という、なんとも言えない気遣いが必要になって踏み込めない。みたいな時があります 笑。

とある国では「婚姻関係」もプライバシーの一つとして考えられていて、「婚姻関係を探られるのは失礼なこと」という感覚らしいです。

なるほど…。日本で言うなら、公に名前でわかってしまうことがプライバシーの侵害だみたいな話になるでしょうか。たしかにあんまりよく知らない人に自分のことを話したいとは思わないので、一理あるなと感じますね。

「離婚したらまた面倒」問題

仮に、結婚して後に良くも悪くも離婚に至る結果になったとして、もし旧姓に戻すようであれば、また名義変更に同じ労力を注ぎ込まなければなりません。そして「…どっちかな?」問題はここで起こります。

職種によっては個人名はある意味ブランドネームや印象に関わり、仕事上 支障が出ることもあります。

こんな感じで、自他共に、不便な場面はたくさんあるように感じます。

「いや、名義変更なんて1回すればいいだけの話でしょ」

と言われるのもわからないでもないのですが、「一生 自分の名前を使いたい」というシンプルな願いを、夫婦のどちらかは叶えられるのに、どちらかは諦めなければいけないのはなぜ?

全く必要性を感じないことに、なぜここまでの労力を使わないといけないのだろうか… という感覚になってしまうのです。

ちょっと付け足すと、外国人との国際結婚だと別姓が選べるのに、国内結婚だと選べないのは不思議…。

夫婦別姓婚を望む理由2】関係の説明がめんどくさいから

説明が長くなるので「夫婦です」と一言で言えたら楽だな。というのも理由の一つ。

今の日本で日本の法律に従って生きていく上では、どうしても「"ちゃんとした2人"であることの証明」が必要な場面が多いです。

結婚をしなくても、本人たちには一生添い遂げる「覚悟」はあるのに、他人に説明する時に、それがわかりやすい形でないと伝わらない。

いわゆる「そろそろな年齢」でもある私は、「結婚しないの?」とかなりの頻度で尋ねられます。

そんな時は、私たちの関係について、毎回「結婚する気はないけど添い遂げる気はあって、子どもはできたらいいなと思いながら一緒に暮らしてます」と答えるのですが、「なんで結婚しないの?」という質問が返ってくる。

「逆になんで結婚するの?」と思いながらも、こうこうこうです…と説明しても、説明が下手すぎて伝わらないことが多く、何度ももどかしく感じてきました…。

それが、住民票の手続きを1回するだけで、「夫婦です」のたった4文字で終わるのです。

なんと簡潔! (ただのめんどくさがり)。

なんと少ない文字数!(デザイン的にも良い)。

夫婦別姓婚を望む理由3】諸手続きの労力がマシになる

あとは単純な理由ですが、名字が一緒でなくても、世帯が一緒というだけで手続き関係が楽になる点。役所での手続きや契約関係の処理で、委任状がなくていい場面が増えます(我が家の場合は私が手続き担当なので重要ポイント)。

また、例えばスマホ利用料金の支払いなどで、家族割の適用ができる場面が増えます。これに関しては、最近になって事実婚関係でもOKというサービスがどんどん増えているようです。

【おまけ】事実婚は今しかできないから

結婚したら離婚も面倒。また名前変えるんかい!ってなるかも。ならば、事実婚って今しか試せないなと思いまして 笑。

結婚については自分の親だったり、知人だったり、ドラマで描かれてる"常識"みたいなことを見てきてなんとなくデータがあるけど、事実婚って実際どんなメリット・デメリットがあるのか、データが少ない。

だったら、自分で試してみたいなというのも本音です。自分たちの関係を説明しづらい今の状況はやや不便なので、事実婚をやってみよう。それでも不便だと感じたら、また考えてみようと思ってます。

事実婚にデメリットがあるとすれば…

事実婚のデメリット1】「配偶者」の判断が分かれる場合も

法的に「配偶者」であることが必要な制度(例えば配偶者控除など)は適応されません。

ただ、よっぽどのことがない限りは、私自身は扶養に長期間入るタイプだとは思えないので、ここは諦めても良いかなと。

事実婚のデメリット2】相続権がない・相続税が多くかかる

相続権が認められなかったり、相続税が多くかかることなども挙げられます。この辺りは、公的に遺言書を作ることで多少は解消できることも。

事実婚のデメリット3】子どもについて

子どもを考えている場合にネックになりやすいのは、共同親権が持てず母か父どちらかの単独親権になること

子どもが生まれた時は、自動的に親権は母親になりますが、父親は認知が必要になります(これは別途手続きするだけ)。また、子どもを認知したとしても戸籍には婚外子(非嫡出子)と記載されます。

この辺りは今の法律が変わらないようであれば、子どもにも関わることなので、要検討部分ではあります。


子どもがいない今としては、名前を変えずにいろいろ効率よく手続きができるというのは、私自身の結婚に対する考え方と照らし合わせても、自営業としても、今のところは嬉しいメリットの方が断然多いという結論でした。

これからの選択的夫婦別姓の可能性

2018年には、サイボウズ社長の青野慶久さんら男女4人が国に対し選択的夫婦別姓制度導入を求める訴訟、通称「ニュー選択的夫婦別姓訴訟」を起こしました。 東京地裁、東京高裁で棄却されましたが、最高裁へ上告する姿勢とのこと。

その後も、立て続けに夫婦別姓に関する訴訟も起きて注目を浴びたこともあり、最近は、様々な世論調査で選択的夫婦別姓に賛成という意見が、反対意見を上回るようになってきました。

こうした制度に着目してみて、やっと選挙に身が入る気がします。。これからの動きに注目です。

 

ちなみに、夫婦別姓に関するWikipediaは類をみない充実度で、かなり読み応えがありました!

「歴史的に夫婦同姓はどんな変遷を経たのか」「どんな賛成・反対意見があるの?」「裁判はどうなったの?」「他の国はどうなの?」という疑問に対する答えがこと細かに網羅されてます。

もしご興味があればぜひ↓

ja.wikipedia.org